・デザインを決めよう 

   丈について
     単純に、フォーマルは長め、カジュアルは短めと考えていいと思います。30年代前半テイストならば、
     くるぶし上〜くるぶし下のかなり長い丈になります。40年代テイストなら、ふくらはぎが隠れるくら
     い〜ふくらはぎの真ん中くらいです。
 
   裾巾について
     意外と忘れがち、というか、指定する人はほとんどいませんが、とても重要です。
     今風旗袍をつくる店(ほとんどがそうですが)は、今のボディコンシャスなデザインに合わせて、自
     動的に裾を絞ったデザインにしてしまいますが、アンティーク旗袍の裾は、ヒップと同巾か、絞って
     あってもごくわずかです(画像参照)。
      
     これはスリットの長さも大いに関係します。今はスリットを
     ぐっと深く、腿のあたりまで入れるのが当たり前ですが、旗
     袍が日常着だった時代は、そんな服は商売女が着るものとさ
     れていたので、スリットは最低限の長さしかありません。
     ですから、裾巾は広いのが当たり前で、今様旗袍のように裾
     が絞ってあると歩けないシロモノができあがります。
     私はあくまでもアンティークなテイストにこだわるので、ス
     リットは短く、裾は絞らずという主張は崩しません。今の旗
     袍のようにボディラインを強調しなくても、充分エレガント
     で美しい旗袍ができるということは、アンティークのものが
     充分証明してくれていますので。
40年代の旗袍。ヒップから裾のラインがまっすぐです 今の仕立て。明らかに裾が狭くなってます
   袖について
     これも結構重要な要素です。今の仕立ては袖と身頃が別々の「西式(西洋式)」ですが、アンティーク
     旗袍のほとんどは、袖と身頃がつながっている「中式(中国式)」です。私のコレクションでも西式で
     仕立てられたものは1点しかありません(40年代#2)。
     なので、アンティークテイストにこだわるなら当然中式……となるところですが、中式は身頃とつながっ
     ているために、わきの下にしわが出るという欠点があります。また、袖丈が長くなると生地の巾が足り
     なくなるため、生地を継がなくてならず、それが気になる人もいるでしょう。さらに、硬めの生地で短
     い袖にすると、怒り肩に見えてしまいます。
中式にはこんな欠点があるとはいえ、私はやっぱ
り中式のほうが好きで、気付くと袖付け中心に生
地を選び、袖丈を決めていたりします。旗袍独特
のてれん、すとんとしたシルエットには、やっぱ
り中式のほうが似合います。西式でつくるなら、
30年代テイストは避けて、活動的デザインの40
年代テイストを基本にします。

袖丈ですが、ノースリーブやフレンチスリーブな
ら、中式でも袖を継がなくて済みます。二の腕の
たるみが気にならない人にはお勧めしたい丈です
が、30年代テイストでつくるならば、巾ぎりぎ
りまで袖を付けたほうがよいと思います。私は二
の腕が気になるクチなので、五分袖にすることが
多いです。
中式の袖。身頃と袖が一体で、巾が足りないものは途中で継いでいる 西式は普通の洋服と同じ。立体的に見えるが、中国服の味わいに欠ける
←もどる   つぎへ→

  お仕立てトップへ