新婚さんのベッドルームを彩るお人形の群。

上海の新しいものと古いもの
といっても
いわゆる“オールド上海”ではありません。



ほんの15年前
高層ビルは数えるほどで
化粧をしている人のほうが珍しく
“コールドパーマ”が流行っていました
男同士で手をつないで歩いていました
ママチャリなんかありません
マウンテンバイク? 何それ
“鳳凰”や“永久”の28インチは高嶺の花
いくら真っ黒ボディが格好良くても
コネがないと買えません
外人でも買えません

食糧切符がありました
米、小麦粉、麺、ケーキ、餃子、パン
なんでも切符、量り売り
牛乳は乳児老人へ配給制

ある日
幹部の息子が絹ごし豆腐を
自転車を2時間こいで届けてくれました
「ちょっとしたコネでね」
得意げにそう言いました
これで石灰臭い豆腐を食べずに済む
1日だけ

自由恋愛なんかもってのほか
外人となんかとんでもない
外人の性は乱れている
壁新聞曰く
エイズは外人が運んでくる
精神汚染は国を滅ぼす

計画生育はしっかりと
模型屋のウインドウには
男女の合体模型をディスプレイ
白昼堂々、安心の
性教育

そんなところだったから
上海に行くと言っただけで
キワモノ扱いされたのに
何で中国なの? って聞かれたのに
今じゃすっかり
海外旅行の花形

確かにメシは美味くなった
店のサービスも良くなった
おされなお店もたくさん増えた
街往くねーちゃんも
すごくきれいになった

でもすっとんきょうがなくなって
ちょっとさびしい