上海風炊込みご飯

 上海の家庭料理といえばこれ以上「らしい」もんはないなーと思うほど、思いっきり庶民的な料理です。あまりに庶民的すぎて、レストランで出されるようなもんじゃないので、上海に暮らしたことがある人でも、知ってる人はあんまりいないかもしれません。
 菜っ葉はチンゲンサイ、また咸肉という塩漬け干し肉を使うのが特徴ですが、最大のポイントはラードを使うこと。今じゃ中国料理もすっかり淡泊傾向で、ラードなぞ滅多に使いません。その傾向を受け、この料理も上海の家庭では徐々に作られなくなっているようです。そのうち完全にすたれてしまうかもしれません。ラードの風味と、干した肉の独特の香りがマッチして、得も言えぬおいしさなんですけどね。
 上海では咸肉は手作りか買ってくるかなんですが、日本では手に入らないので、手作りしましょう。時々上海の家の軒先に黒くひからびた肉がぶら下がってるのが見られますが、あれです。ちょっと時間はかかりますが手間はかからないので、ぜひトライしてみてください。

【材料】

豚かたまり肉(私は肩ロースを使いましたが、もも肉でも) 150g
塩、花椒 適量
米 1.5合
チンゲンサイ 2株
塩 小さじ1
ラード 大サジ1.5

ご予算 豚肉→多め(500g)に買って650円
チンゲンサイ→150円
その他含め 約1000円

【作り方】
1 まず咸肉をつくる。豚のかたまりにたっぷりまぶせるくらいの量の塩と花椒(肉300gに10粒くらいが目安)をまぶしてビニール袋でもタッパーでも何でもいいんで入れ、冷蔵庫で2日間放置。そのあと取りだして、あれば脱水シート(ピチットなど)でくるんで冷蔵庫で1日置き、大体の水分を切る。ここからは干しの工程。肉に1ヶ所穴を開け、タコ糸などを通して輪っかをつくり、風通しの良いところにつるす。できれば外気に当てたほうがいいけど、もし無理なら室内でも可。約5日〜1週間経って、肉が乾いて、ところどころ塩が吹いてきたらOK。日にちは肉の大きさで異なりますが、500g分で大体1週間です。
2 米は洗ってざるにあげておく。チンゲンサイは茎の太い部分を2つ割にし、葉っぱも一緒に8mmくらいにぶつぶつ切る。咸肉は3mmくらいの厚さにしたあと、あとは大きすぎない程度に切る。
3 中華鍋にラードを熱し、チンゲンサイを強火でさっと炒める。続いて咸肉を入れて軽く炒めたあと塩で味をつけ、米を入れ、透き通ってきたら炊飯器に移す。
4 炊飯器の目盛りで2.5のところまで水を入れ、あとは普通に炊く。炊き上がったら軽くかきまぜ、10分ほど蒸らしてできあがり。

【ポイント】
出来上がりはラードのせいでかなり艶やかです。日本ではあまりラードを使う習慣がないのですが、肉屋で背脂でも分けてもらったり、ばら肉をゆっく炒めたりして(肉は料理に使う)、自分で取るとおいしいです。この料理にはラードの風味が欠かせませんので、くれぐれも植物油で代用などされぬよう。
咸肉ですが、多めに作っておけば、薄切りにして白菜と一緒に蒸したり、スープにだしがわりに入れたり、チャーハンにしたりと結構使い回しがききます。これに使う花椒ですが、どうしても手に入らない場合を除いて、風味づけにぜひ使ってください。